公開日 2025年12月09日(Tue)
高等部では,10月27日から11月7日までの2週間,後期産業現場等における実習が実施されました。高等部3年生にとっては最後の実習で,卒業後の進路選択に向けた重要な実習となりました。また,2年生にとっては2回目の実習で,いろいろな事業所での体験を経験する貴重な機会となりました。
「C課程の現場実習」高等部3年 Aさん
3年生のAさんは,進路先の見極めとなる実習でした。また,今回は卒業後にB型事業所を利用するために「就労選択支援事業」を利用しながらの実習となりました。
実習前半は,昨年も体験した「就労継続支援B型事業所ippo(いっぽ)」へ行きました。にんにくの皮むきの作業がメインとなる事業所で,Aさんはビニール手袋を付けてピンセットを使い,真剣な表情で集中して器用に皮をむくことができていました。1日を通して2時間程度集中して取り組むことができ,集中力の高さを褒められていました。スタッフの方がにんにくの根元に切り込みを入れてくださることで,作業を一人で継続することができていたそうです。
実習の後半は,鹿児島市にある「就労継続支援B型事業所Art糸織(しおり)」へ行きました。創作活動に特化した事業所で,Aさんは布用マーカーで生地に絵を描いたり,手織りでマフラーを作ったりしました。
どちらの事業所でもAさんのペースを保ち,笑顔も多く見られ,楽しく活動に取り組むことができました。就労選択支援事業所からは,B型や生活介護を利用して本人が達成感を感じながら充実した卒業後の生活を過ごしてほしいとアドバイスをいただきました。
これから本人にとって最適な進路を,本人,保護者や関係する事業所の方々と考えていきたいと思います。

「D課程の現場実習」高等部3年 Bさん
高等部3年生のBさんは,前期実習は4日間の現場実習でしたが,後期は実習期間9日間全て現場実習に参加しました。また,人生で初めての2泊のショートステイにもチャレンジしました。
「あいらいん」は前期も利用している施設ということもあり,安心した様子で実習に参加することができました。実習先では食事や入浴なども含め,制作活動や感触遊びなどのさまざまな活動を卒業後の生活をイメージしながら経験しました。入浴してヘアブロー後は,職員の方と「どのような髪型にする」と,画像を見ながら考え,好みの髪型に結んでくださり,コミュニケーションをとりながら楽しむことができました。
「ナナーラ未来」での2泊のショートステイでは,口内炎ができてしまいましたが,夜も寝ることができ,体調を崩すことなく過ごすことができました。
今回の実習でBさんは,「卒業後のイメージをもつ」,「元気に楽しく過ごす」という二つの目標を立てて実習に臨み,どちらも自分のペースで達成することができました。この実習を通して,卒業後の生活に向けて充実した体験をすることができました。今回の成果を踏まえて進路決定に繋げてほしいと思います。

「D課程の校内実習」高等部1年 Cさん
高等部1年生の3人は,後期の実習期間9日間を毎日校内実習に取り組みました。2・3年生も現場実習がない日は,校内実習に参加して一緒に紙すき作業体験をしたり,余暇的な活動を楽しんだり活動しました。
1年生のCさんは,「楽しくお仕事をする」という目標を立てて2回目の実習を頑張りました。
前期実習でマスターした紙すき作業体験は,工程全体の流れが身に付いていました。ミキサー工程では,手に持ったタイマーで時間を確認するとすぐにスイッチを止め,パルプ液を作りました。紙すき工程では,ペットボトルを両手で持って型枠に液を流し入れたり水切りをしたり,すいた紙を網からはがして乾燥させる台に置く作業までできました。他の作業担当の友達と材料の受渡しを行ったり,片付けもしたりして,積極的に協働的な仕事に取り組むことができました。
多様な余暇活動に取り組む「活動2」では,初めて挑戦するスカットボールで優勝したり,足湯では活動を楽しみにして準備を休み時間に自分からしたりしました。そして最終日は16才の誕生日を迎え,みんなから「おめでとう」とお祝いされて,笑顔で実習を締めくくることができました。見通しをもって作業や活動に取り組んで,充実した校内実習を送ることができました。

